夏休み初日
夏休みに入った。うだるような暑さと耳を裂くほどの蝉の声に包まれながら、友達と虫捕りやら、ゲームやら、あるいは誰かと一夏のアバンチュールやらを楽しむ季節…のはずなのだが、そのほとんどをエアコンの効いた部屋で過ごす。そんな季節が来た。(特に最後のアバンチュールは経験したことがない。つらい。)
まあ、エアコンの冷風に当たりながら過ごすのも悪くない。
しかし、そんな夏休みにも、僕らを束縛し、心に重くのしかかる憎き敵がいる。そう、宿題だ。
『人は仕事を与えなければ、ろくな事を考えない』という言葉を思い出す。どこで聞いたかは忘れてしまったが、きっと昔の偉い人が言ったのだろう。きっとその人は正しい。人間はそういう生き物だと思う。
だけど僕らは暇ではないのだ。学校へ行かなくても良いこの時期だからこそ、経験せねばならない事がいくらでもある。そんなチャンスは一年のうち夏休みを置いて他にはないのだ。宿題などという雑事にさく時間はないのである。
正義は我らにあるはずだ。我々学生は立ち上がらなければならない。さぁ、同志の諸君。反乱のときだ。これが僕らの学生運動だ。宿題なんてボイコットしてしまおう。この夏は、闘いの季節となるだろう。
こんな事を考えてしまうのも、きっと暑さのせいだ。今年の夏はまた一段と暑い。
今年こそ、早めに敵を片付け、有意義な夏を過ごしたい。
平成29年7月21日 松永諒太